六塚光公式ブログ


by crax_alexey

レンズ1巻に関するどうでもいい話

 レンズと悪魔1巻が10刷に到達したらしいです。
 オーイエー。まったく夢みたいな数字であることよ。よくやった俺。とはいえ独力のみで達成できたことではないので、関係者諸氏に多謝と言いたい。もちろん読者の皆様にもね!

 1巻について、いまだ気になっていることが一つある。
 1巻を書く時に意識したことは、「タマラセのカラーを抑え気味にする」ということだった。タマラセはコアなファンはついてくれたけど、ライトなファンにはそっぽむかれたんじゃね? という感覚があった。というわけで、新シリーズの玄関口となる1巻についてはカラーは抑えめにし、ここでライトなファンを引き込む、というテーマを置いたのである。一度引き込めばこっちのもの、巻が進むにつれてカラーをガンガン濃くしていったるぜ、と目論んで。
「売れるものを書く」ことと「書きたいものを書く」ことは往々にして別方向のベクトルを持つ。なので、ベクトルの合一を狙ってこういう作戦を立てたわけですよ。

 結果として、設定したテーマをクリアする作品に仕上がった、とは思う。新シリーズの世界観、設定等を読者に対していかに無理なく開陳していくか、というところにもかなり力点を置いたので、カラーを出していく余裕がなかったこともあるのだが。

 発売後、市場からは好意的に受け止められたようだ。速攻で重版かかったし。とはいえ、ネットの書評には「タマラセに比べると地味」というものも見受けられた。今でも「1巻は地味だったが、巻を重ねるごとに面白くなってくる」という感想をよく見かけるし。

 たしかに、1巻が地味なのは否定しようがない。そういう方向性で書いたので。
 いまだに気になるのは、「そのような方向性のもとに書いたのは正しかったのか?」ということだ。現状でも順調に売れてはいるが、1巻からタマラセカラー的なものを全開にしていたらもっと売れたんじゃなかろうかという気もする。しかし所詮可能性の問題であり、結局のところカラーを抑えるという俺の判断は正しかったんじゃないかという気もする。悩ましいところではある。

 まあ結論としては、いまさら1巻を書き直すわけにもいかないのだし、現状を受け入れるしかないわけだが。実績挙げてるわけだし、現状を受け入れるのになんの問題もない。ネット書評から些細な批評をもらうくらいなんだというのかね。
 そもそも、読者の購買動機としてはカズアキさんの美麗イラストの方が大きいような気もするし。イラストレーターにあの人をつけてもらったのは僥倖としか言いようがない。
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by crax_alexey | 2008-03-22 16:17 | 仕事