六塚光公式ブログ


by crax_alexey

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 土日はSF大会に行ってきましたよ。なにしろ岸和田まで電車一本だし。

 一日目は本屋パネル→サイバーパンクの部屋、二日目はSFアニメの45年→宇宙作家A・C・クラーク→ライトノベル大喜利。一日目の三コマ目は人と立ち話にふけっておりました。

 本屋パネルは昨今の編集、流通事情、ネットの影響など広範囲な話題について語られた。とらのあなのバイヤーは優秀らしいぞ。とらのあなでは拙作の扱いが悪いような気がしてならないのだが、優秀なバイヤーにそう判断されているってことカシラ。忸怩たるものがある。

サイバーパンクの部屋は、もうすぐ復刊されるディファレンス・エンジンの話。製造されたディファレンスエンジン二号機の映像を見て感動した。

http://jp.youtube.com/watch?v=0anIyVGeWOI

 正確には見せられたのはこの動画ではないのだが、ディファレンスエンジンがどういう形状のものか分かると思う。かっこよすぎる。

 SFアニメの45年は、アニメの絵コンテやらタイムテーブルやらを使用してのテクニカルな話。これはこれで面白かったのだが、時間の都合上「45年」の部分が華麗にすっ飛ばされたのが不満といえば不満。

 クラークの部屋は、日本のSF作家や科学ジャーナリストがクラーク作品について語っていた。クラークはオカルトについてどう考えていたのか、という話題が印象的。たしかに、ハードSFの祖たるクラークがユリ・ゲラーを信じてしまうというのは不思議な話であるな。

 最後のコマはすごい科学とレッドドワーフの企画が重なっていたのだが、職業的義務感にかられてライトノベルの部屋へ。「ネット書評家は憎いですか?」などとビーンボールな質問を投げつけてみたりもした。ビーンボールすぎたな。反省。
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by crax_alexey | 2008-08-25 15:31 | 日常
「カリブ諸島の手がかり」(T・S・ストリブリング、河出文庫)読了。

 国書刊行会の世界推理小説全集の一冊が文庫落ちした物。
 ポジオリ教授が休暇年度に訪れたカリブの五つの島における五つの事件を描いた短編集である。カリブ諸島とひとまとめにいっても、一九二〇年代にはそれぞれの島が欧米列強各国によって分割支配されており、それぞれに宗主国が異なる。宗主国が違えば文化も違う、ということで各短編ともそれぞれ独特の雰囲気を醸し出している。この設定は面白いなあ。

 探偵役のポジオリ教授もなかなかに面白い。直感でもって事件捜査にあたり、おおむね事件を解決するのだが、大事なところでポカをやらかし事件の要点を取り逃す。しかし外見上事件は解決しているため、教授の名探偵としての名声は上がっていく、というのが基本的なスタイルであり、バークリーのロジャー・シェリンガム氏を思い起こすことこの上ない。明らかにシェリンガムの系列にいる探偵である。創造された時期はほぼ同時だと思うが。

 名探偵であると同時にボンクラである教授は、ボンクラであるが故に最後の短編「ベナレスへの道」でドえらい目に遭う。こんなオチありかよ! いくら教授がボンクラだからってこんなひどい仕打ちはねえ、と思った。面白すぎる。まさかシリーズキャラクターにこんなことするとはなあ。

 面白かった。少々ビーンボール気味ではあるが。しかしこの全集は他にもビーンボールがあるのでさほど気にはならない。「赤い右手」とか「編集室の床に落ちた顔」とか。編集部はこの種の作品をどこから拾ってくるんだろうね?


「量子真空」(アレステア・レナルズ、早川文庫SF)読了。

 1000P超の大作「啓示空間」の直接の続編。今度は1200Pだ!
 その分厚さ故、新幹線の行き帰りでやっと読み切れるだろう、と算段していたのだが、あまりに読みやすいのでついうっかり実家にいる間に読み終わってしまった。前作同様驚きの読みやすさだ。なんでなんだろう? この種の作品にしてはキャラクター描写が多いせいなのか。

 時代は前作から60年。インヒビターの人類抹殺大作戦はすんでの所でシルベステの自爆によって止められた――はずだったのだが、またもや動き始めました! インヒビターを抑止できるであろう唯一の存在「隠匿兵器」を巡って各勢力が相争う、というのがだいたいのあらすじ。

 面白い。のだが、「俺達の戦いはこれからだ!」的な終わり方なので続きが気になりすぎる。頼むから続きを出してくれと言いたい。とりあえず短編集と「カズムシティ」も読まねばなるまいよ。
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by crax_alexey | 2008-08-22 21:03 | 読書
 実家にて母方の祖母の葬儀を済ませて参りました。

 通常ならば四日間コースなのだが、四日目が友引ということで火葬と通夜を同日に行う三日間コースで葬儀は行われた。友引には葬式をやらない、ってのはローカルルールなのカシラ、と思ったりもしたのだが、ネットで調べると結構引っかかるので、一般的らしい。通夜の前に火葬を行うのはウチの地域だけ、という事実を知って以来、なにがローカルルールでなにが一般ルールなのか自信が持てなくなりましてね。ひょっとしたら火葬もウチの地域のローカルルールかもしれん。なにしろ地元以外での葬式に出たためしがないもので。

 祖母が亡くなったのは悲しいが、天命なので仕方がない。年寄りから先に逝くのは道理にかなったことだ、という一休的思考で気を紛らわせるよりない。一休さんは偉大だ。

 涼しいのは助かった。昼間に晴れると汗こそかくが、「夏はこのくらい暑くないとねー」とか思える程度の暑さだ。大阪の川に身投げしたくなるような暑さとは違う。一方で冷え込むと本気で寒いのは参った。夕方で15度とか、秋以外のなんだというのか。あと数日温度変化に晒されたら風邪を引いていたかもしれん。

 二日ほど実家でぼーっとした後、帰還。大阪は死ぬほど暑いだろうか、と思っていたがそうでもなかった。暑いことは暑いが、生きていける暑さだ。助かる。
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by crax_alexey | 2008-08-22 19:43 | 日常
 帰省してきた先輩方と一緒に宇治観光に行ってきましたよ。

 初めて平等院鳳凰堂なるものを見た。関西に来てから十年以上経つのに、いまだに一度も行ったことがなかったもので。十円玉の絵になるだけあって立派なものであることよ。周辺一帯の庭園も含めて。
 建物自体が和風というより中国風だったのが意外といえば意外。でも建築時期を考えれば、唐とか宋の影響を受けていて当たり前か。

 その後宇治川の川縁を歩いて宇治神社方面に向かう。穏やかな流れの川に緑一色の山が大きくせり出していて、なかなかすごい風景だった。あと時期のせいか場所のせいか、観光客がほとんどいなかったのも良かったね。

 あと帰りは京阪の宇治駅から京都に行ったのだが、駅舎がオシャレ建築物で驚いた。京阪の駅というと、住宅街の中にクソ狭いホームが伸びているとかいうチープな印象が強いだけに、宇治駅のありようは意外に過ぎた。


 その後京都で飲む予定だったのだが、まだ日没前だしもう一カ所くらいどこか行こうぜという話になった。相談の上向かったのが、北山の府立植物園。

http://www.pref.kyoto.jp/plant/

 ここが思っていた以上に楽しかった。綺麗な花だけではなく、世界中の訳の分からん植物が山盛り生えているので、見て回るだけでクソ面白い。時間が遅かったため食虫植物展に行けなかったのが心残りではあるが、なんだかんだで気がついたら閉園時間まで歩き倒しましたとさ。あと、基本的に森なので、夏の夕暮れを過ごすには非常にいい環境だった。入場料200円の元を十分に取ったと言い切れる。

 とりあえず、ヒマラヤスギやモミにもマツボックリ的な物があるということを学んだ。というか庭園内の巨大なヒマラヤスギの枝に、全高10~15センチくらいの白いスギボックリが大量発生していて、遠目に見ると未知の生物が大量に卵を産み付けたようにしか思えなかったのが恐ろしすぎた。生理的嫌悪感を催さざるを得ない。ヒマラヤではあんな光景が日常茶飯事なんじゃろか。


 その後飲んだ後解散。前日もほぼ同じメンバーで飲んだので、珍しく二日連続でアルコールを摂取した。二日酔いにはならなかったが、今日はだるいぜ。まあ、炎天下で宇治二時間植物園二時間と歩き回れば、身体が重いのも仕方がないよね。
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by crax_alexey | 2008-08-13 16:12 | 日常
「俺達はなあ……
その辺で『いつか買う』『いつか買う』と大口を叩いている負け犬どもとは
わけが違うんだからな……
『欲しい』と思った次の瞬間には!
amazonの購入ボタンをクリックしているんだッ!」

 というわけで360版ギターヒーロー3をつい衝動的に注文してしまいましたとさ。
http://www.amazon.co.jp/dp/B0016LXNVK/
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by crax_alexey | 2008-08-08 23:34 | 日常
「還らざる日々」(ロバート・ゴダード、講談社文庫)読了。
「蒼穹のかなたへ」「日輪の果て」のハリー・バーネットが69才にして三度目の冒険を強いられる話。前に読んだのがかなり昔なので、シリーズキャラクターであることを解説読むまで忘れてましたがね。
 扱われるのは、50年前の軍によるトンデモ実験の話。ハリー自身にはまったく記憶がないのだが、それもそのはずその実験内容は記憶操作に関するもので――となにやらXファイルに出てきそうな物語だった。
 面白さは平均点くらい。相変わらずサクサク読ませるのだが、ゴダードの初期作品群に比べるとどうしても見劣りするよなあ。ただ、キャラクターの面白さはゴダード作品群の中で群を抜いていた。ハリーとチップチェイスの老人漫才は泣ける。

「フロスト気質」(R・D・ウィングフィールド、創元推理文庫)読了。
 デントン市に吹き荒れる犯罪の嵐をフロスト警部が片っ端から片づけるぜ! という話。
 シリーズの最初からまったく芸風が変わってないのだが、毎度毎度面白すぎて感心せざるを得ない。事件を六~七件並行で進行させて、それぞれの話を遺漏無くまとめ上げて一つの作品と為すというその手腕は相変わらず安定しており、どうしてこんな超絶技巧をかますことができるのか不思議極まりない。フロスト警部があまりにいきあたりばったりなこともあって事件は常にクライマックス状態であり、上下各450ページの大作なのにあっさり読めた。今年のこのミスの上位入賞は間違いないと思われる。過去のシリーズ三作のように。
 著者が先日お亡くなりになったので、シリーズ未訳本は残り二冊で確定したことになる。フロスト警部の活躍があと二冊しか読めないとは残念な話だ。
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by crax_alexey | 2008-08-04 22:17 | 読書