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相変わらずデントンは地獄の犯罪都市らしいという話

「還らざる日々」(ロバート・ゴダード、講談社文庫)読了。
「蒼穹のかなたへ」「日輪の果て」のハリー・バーネットが69才にして三度目の冒険を強いられる話。前に読んだのがかなり昔なので、シリーズキャラクターであることを解説読むまで忘れてましたがね。
 扱われるのは、50年前の軍によるトンデモ実験の話。ハリー自身にはまったく記憶がないのだが、それもそのはずその実験内容は記憶操作に関するもので――となにやらXファイルに出てきそうな物語だった。
 面白さは平均点くらい。相変わらずサクサク読ませるのだが、ゴダードの初期作品群に比べるとどうしても見劣りするよなあ。ただ、キャラクターの面白さはゴダード作品群の中で群を抜いていた。ハリーとチップチェイスの老人漫才は泣ける。

「フロスト気質」(R・D・ウィングフィールド、創元推理文庫)読了。
 デントン市に吹き荒れる犯罪の嵐をフロスト警部が片っ端から片づけるぜ! という話。
 シリーズの最初からまったく芸風が変わってないのだが、毎度毎度面白すぎて感心せざるを得ない。事件を六~七件並行で進行させて、それぞれの話を遺漏無くまとめ上げて一つの作品と為すというその手腕は相変わらず安定しており、どうしてこんな超絶技巧をかますことができるのか不思議極まりない。フロスト警部があまりにいきあたりばったりなこともあって事件は常にクライマックス状態であり、上下各450ページの大作なのにあっさり読めた。今年のこのミスの上位入賞は間違いないと思われる。過去のシリーズ三作のように。
 著者が先日お亡くなりになったので、シリーズ未訳本は残り二冊で確定したことになる。フロスト警部の活躍があと二冊しか読めないとは残念な話だ。
by crax_alexey | 2008-08-04 22:17 | 読書