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六塚光公式ブログ


by crax_alexey

書き出し方について・続きの続き

 ボチボチ質問とか感想とか募集してみようカシラ。
 自分の書いている物が読者のニーズに応えているのか、よくわからんし。


4:トンチキな言動を冒頭に持ってくる

 タマラセはこれかな。

 現在ザ・スニーカーに連載中であるところのレンズと悪魔の短編は、ひたすらにこれを心がけている。ブルマをはいた美女の博物館来訪、歩くキノコの話、子供銀行強盗を見つけて欲しいという依頼、等々。とにかく読者の目を引くのが大事。

 もっとも、意味不明な言動で終わらせてしまってはならない。そのトンチキな言動の陰には然るべき理由が存在することをきっちり明示する必要がある。そうでなくてはただの頭がおかしい文章になりかねませんのでね。


 これらの手法を実行するために、ちょっとしたテクニックがある。時系列を入れ替えるというものだ。

 例えば、レンズの短編において、テンプレ的展開を時系列に並べると、以下のようになる。

1:依頼人が博物館にやってくる
2:捜査開始
3:何らかのトラブルに巻き込まれる

 この後は捜査パートとトラブルパートを繰り返して、物語の結末まで引っ張っていくわけである。
 だが、実際に書く段となると、必ずしもこの順番通りに書くわけではない。2→1→3と書くこともあれば(まず捜査を描写し、次に何故そんな捜査をしているのかという理由、依頼内容を書く)、3→1→3と書くこともある(まずトラブルパートを書き、次にトラブルに巻き込まれた理由を書き、またトラブルの続きを書く)。

 どこを冒頭に持ってくるかという判断は、「どのシーンがもっとも印象的か」ということを価値基準とする。このあたり、必ずしも時系列順に書く必要はないのである。この手法は冒頭のみならず、話のどの部分でも大いに活用しうるので、覚えておくといいと思う。やりすぎると時系列の混沌を招きますがね。とはいえアニメでも漫画でもよくある手法だから、それほど難しくはないだろう。

 初心者は「時系列通りに物語を書く」という固定観念に縛られがちですからね。とはいえ、時系列順に書いた方がわかりやすいという場合もあるだろうので、ケースバイケースで考えるといい。効果を最大限に発揮すべくひたすら考えるのが大事。
by crax_alexey | 2008-09-05 22:14